「ブルキナファソの暑い夜」


私は町の食堂で疲れた体を癒すため一本のビールと食事をとる

周りにもたくさんの人たちがいて汗をぬぐいながら黙々と食べている

この人たちも疲れているのかな

貧困の中に生きていることに疲れるのかな

明日(あした)の事、わからない

未来(あした)のこと、考えない

 

そのとき君は私の前に来て食べ残しをねだったね

私は少し困惑しながらうなずくと

君は屈託の無い笑顔でトマトソースの空き缶に素早く放り込む

 

10才くらいかな

 

おじさん皿を片付けてあげるよありがとう君との会話はこれだけ

君が皿を持って店のお兄さんに渡そうとすると

彼は様子をずっと見ていたのか空き缶の中を見せろといった

 

君が空き缶を隠そうとすると彼は思い切り君の頬をたたいたね

彼は何度も何度も君を殴り続けた

君は小脇に抱えたあき缶をひたすらかばいながら殴られるのをこらえ続けた

そのとき君は遠くを一点見つめていたね

顔をゆがめもせず

 

「やめなさい、私があげたんだから」と店の人に言おうとしたが言えなかったんだ

なぜなら君たちがそこに何時も来ると店が困るから

 

君が殴られ続けていたときに君がじっと見ていたものは何

私はそこに目を向ける、と

君よりも小さい子供たちが座り込んで心配そうに君を見ていたんだね

君は殴られた後無表情で彼らのところに重い足取りで歩み寄る

 

君はそっと空き缶を差し出すと、

そこに小さな手がたくさん伸びてきた

中にはそんなに入っていないのに

 

君は空き缶を差し出したあと緊張が解けたのか、体が痛いのか

君は地べたに座り込んでうつろに夜空を見上げていたね

ブルキナファソの暑い夜



「バナナ売りの少女」


西アフリカブルキナファソ       

毎日走るガーナへの道ばたに

小さな弟を背負って

重そうに頭にたくさんのバナナを載せて

毎日少女は立っている

帰り道にもたっている

一日中立ち尽くしているのだろうか

初めはただ通り過ぎるだけで気にも留めずにいた

 

ある日少女に声をかけバナナを買った

100フラン(約20円)で3本

少女は、はにかんだ仕草でにっこり笑っていた

私が学校へ行っているのと問いかけると

何も言わず微笑がとだえた

そのときふと、悪いことを聞いてしまったと思った

 

それから毎日すれ違うたびにバナナを買う

少女のうれしそうな笑顔を見ると心が和む

100フランを渡すと4本渡してくれる

そんなに利益は無いのにと思いながらバナナをかじる

 

ある日少女はいない

どうしたのだろう

色々な憶測が私の頭をよぎった

 

約一週間後少女はいつものように立っていた

道はまっすぐなので遠くからでも見える

よく見るといつも一緒にいる弟がいない

弟はどうしたのと聞くと

少女は微笑が途絶えると同時に

目から大粒の涙があふれてきた

ふと事情は聞くまいと思った

 

あくる日また少女は立っていた

頭の上にたくさんのバナナを載せて

私は黙って100フランを渡すと

いつものように、はにかんだ仕草で微笑みながらバナナをくれた



「人間として」

 

昔々まだ国が無かったころ、人々は自然の中で食べ物を摘み、狩り、生活を営んでいた。

そして人々は大いなる自然を恐れ敬いそして崇めた。

力の有る者は力の無い者を労り、分け与え、力の無いものは感謝の心を持って応え、人々は万物の存在を認め、それぞれの命を認め、自己の感情を認め、人間として過酷な自然の中で地球に存在し、子孫を反映させた。

 いつからだろう。

人々は自我に目覚め自分を主張するようになり、大地に縄を張り、そしてその中にあるものは全て自分のものだといった。

そしていつからだろう。

人々は自我が全ての中心であると思うようになり、自然を恐れず、敬わずそして崇めず。

力のある者は力の無い者を利用し、支配し、力の無いものは憎しみの心を持って応え、人々は万物の存在を否定し、それぞれの命を奪い、自己の感情の赴くまま自然を破壊し子孫の滅亡に向かっている。

 

人として、人間として、そして自然の中の一員としてこれからどうして行けばよいのだろう。

人として、これからの子孫にどのように伝えればよいのだろう。

 

しかしこれだけは出来る。

共に支えあうこと。

共に譲り合うこと。

共に許すこと。

 

共支、共譲、許容の心の中に自己自立の精神は育まれ、

自己自立の精神の中に自我は存在する。

自分はちっぽけでも心は大きくなれる。

大自然のように。

大宇宙のように。




二人の「もののふ」


時空を駆け下りること千余年

荒んだ平安の世に

坂東の大地から鮮烈な風を巻き起こす

その名は相馬小次郎将門

"朝敵"と云われながら、

実は"郷土の勇士"だった

自ら親王と称し関東を創った


時空は駆け巡り西アフリカのオートポルタ

植民地から独立して二十余年

腐敗した政治を立て直すため

貧困と病気にあえぐ民衆を救うために立ち上がる

その名はトーマス・サンカラ

自ら大統領となりブルキナファソを創った

 

坂東の田舎者といわれ

貴族がはびこり金が無ければ出世が出来ない悔しさ

黒人と虐げられ

いくら主張しても聞き入れてもらえない利用されるだけの悔しさ

それでも民衆と共に、民衆のために力を注いだ

しかし、二人の「もののふ」の命はあまりにも短かった

無念にも身近な者の手によって夢半ばにして終わった

 

しかし今でも「もののふ」たちの心は民衆の心に生きつづけている

彼たちに共通していえること

無我無欲だった

そして不器用でもあった

いつも眼差しは遠い景色を見ているがごとく

いつも心は純粋だった

 

違う次元を流れ星のように輝いては消えて行った

しかし確かに彼たちの去った後にはなぜか新鮮な気が存在した

ともに僅か三十七年の命だったのに

それでも人々は忘れない

「もののふ」たちを

今も語り継がれ

そしてこれからもずっと



「星のサバンナ」

 

原野に寝転んでふと見上げる夜空には

地平線まで広がる星のサバンナ

時間から取り残された世界に

無数に飛び交う流れ星はまるで蛍のよう

静けさの中で一人思う遠いふるさとのこと

幼いころの思い出が星の中から現れては消える

NANJEMSAME

NANJEMSAME

大いなるブルキナファソの大地に抱かれながら

大丈夫明日はきっと良いことがあるよ

 

原野に寝転んでふと見上げる夜空には

地平線まで広がる星のサバンナ

サバンナを動物たちと思い切り走る夢を見る

今はいないたくさんの動物たちはみな星になったのか

静けさの中で一人想う遠い昔の楽園のこと

動物たちの躍動が星の中から現れては消える

NANJEMSAME

NANJEMSAME

大いなるブルキナファソの大地に抱かれながら

大丈夫明日はきっと良いことがあるよ

 

原野に寝転んでふと見上げる夜空には

地平線まで広がる星のサバンナ

お父さんお母さんはどこへ行ったの

幼い子供たちを残して

子供たちはどこに行ったの

お父さんお母さんの祈りもむなしく

たくさんの人の涙が星の中から現れては消える

NANJEMSAME

NANJEMSAME

大いなるブルキナファソの大地に抱かれながら

大丈夫明日はきっと良いことがあるよ




「少しだけ」


少しだけ分けてください

 あなたの食べ物を

 少しだけ分けてください

 あなたのお金を

 少しだけ分けてください

 あなたの施しを

 少しだけ分けてください

 あなたの服を

少しだけ分けてください

 あなたの場所を

 

ぼく達パパ、ママはいません

学校にも行きたい

病気になったら怖い

毎日おなかがすいて

だけど、本当は何もほしくはありません

捻くれてなんかいません

いつも見るんです

じぶんが大人になっている夢

何故って

大人は強いから

 

 少しだけ分けてください

  あなたの夢を

 少しだけ分けてください

  あなたの愛を



「ココロ虫」


ココロコロコロ ココロ虫

ココロ虫が笑ってるよ

いいことあったかな

ココロコロコロ

 

ココロ虫が怒っているよ

気に入らないことあったかな

ココロコロコロ

 

ココロ虫が泣いているよ

悲しいことがあったかな

ココロコロコロ

 

ココロ虫が悩んでいるよ

言えないことがあるかな

ココロコロコロ

ココロコロコロ ココロ虫


ココロ虫は何時もコロコロ変わります

まるで怪虫百面相

ココロ虫は私たちの中に住んでいて

ココロ虫は数え切れないほど変わりますが

ココロ虫を上手に飼うことも出来ます

ココロ虫は宇宙と同じくらい大きくもできます

すぐに他の所へ瞬間移動させることもできます

 

餌は

いつも夢の種をあげましょう

自然サラダも大好きです

ときどき勇気水を飲ませてください

 

注意書き

おりに入れたり鎖で繋いではいけません

いつも自由にしてあげてください

いつも優しい言葉を掛けてあげてください

長い間餌をあげないと逃げる恐れがあります